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KAYANOのイタリア気分 No.71

2007年11月号

深まる秋はカフェの香りと共に・・・

ヒルズのザネッティ

最近、街を歩いていると見かけるイタリアンカフェ、ビターなエスプレッソやクリーミーなカプチーノを楽しむために、立ち寄る方も多いのではないでしょうか?

私も六本木ヒルズや広尾ザネッティに週何度か行きます。

愛用しているマキネッタ

イタリアン専門カフェのおいしさはマシンから勢い良く出るあの蒸気に秘密があるそうです。なんと9気圧の蒸気が出るんですって!「プシュ~」という音と共に噴出す蒸気は気分も高めてくれますよね.でも、イタリアの家庭では手軽に、マキネッタを火に直接かけてエスプレッソを楽しみます。

実は私も毎朝マキネッタで入れたカフェラッテを戴きます。焙煎の濃い芳ばしい香りと、蒸気が立ち昇る「シュルル~!」という威勢の良い音が、私の一日の始まりの合図です。

ピカフェのコンフェテリア

これはイタリアで生活している頃に始まった習慣なのです。

イタリアには数百メートル置きに1件といってよいほど、バールと呼ばれるカフェがあり皆が行き着けの店を持っています。バールの気圧の高いマシンにはマキネッタでは味わえない美味しさがあるからです。エスプレッソ一杯が1ユーロ弱の値段でほとんどの人がカウンターの前で、バリスタ(カフェを入れる人)と話しをしながら立ち飲みをします。

日に何度も行く人も居るし、朝食はコルネットとカプチーノで簡単に済ませるという人も居て、バールが大切なコミュニケーションの場になっていることも確かです。

そう言えば、どの街にも老舗のカフェがあります。

大きな街なら、トリノの「カフェトリノ」ミラノの「コバカフェ」フィレンツェの「ジリ」ローマの「グレコ」ナポリの「ガンブリヌス」どこも創業100年以上のお店で、威厳のある店構えがプライドに満ち溢れています。

どのカフェも長い間、街と人々を見つめてきたに違いありません。

その重みが気分まで落ち着かせてくれるのかもしれないですね。

カプートシェフとカフェにて

昨年トリノを旅行したときのことです。

「ヴィチェリン」という飲み物を初めて戴きました。

トリノの学校に通っていたこともあったのに、トリノオリンピックの折のテレビ番組で初めてこの飲み物を知りました。街外れの地味なカフェ「コンフェッテリア」が発祥のようです。

トリノのヴィチェリン

エスプレッソとチョコレートを2層に仕上げて、上に生クリームをたっぷり載せて混ぜながら戴く物で庶民が考え出したとか…..。一度にたくさんの味が同時に味わえる、欲張りな味わいですが、イタリア深煎りコーヒーにチョコレートの街トリノと上質なクリームの産地ピエモンテの立地が作り出した素朴で贅沢さが詰まっていました。

その時はトリノの学校でお世話になった ルイジ カプート氏に連れて行っていただいたのですが、久々の再会に学生時代の話をしながら、しかもトリノの歴史を感じながら味わった、「ドルチェ&ビター&クリーミーなヴィチェリン」の味を私はいつまでも忘れないことでしょう。

皆さんもトリノにいらしたら是非一度試してみてくださいね。

11月に入り、秋はどんどん深まりますね。

今年はカフェの香りと共に、ひとり物想いにふけるのも素敵かもしれませんよ。

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