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KAYANOのイタリア気分 No.78

2008年6月号

徒歩で回ったチンクエテッレ リオマジョーレ~コルニリアまで

リグーリア州の地図
ポルトフィーノと
チンクエテッレの位置

1997年に世界遺産に登録されたチンクエテッレはポルトフィーノの更に東、リビエラのほぼ終点に位置する5つの村の総称です。青い地中海と断崖に囲まれた険しい土地に宝石のようにちりばめられた5つの町、リオマジョーレ・マナローラ・コルニリア・ベルナッツァ・モンテロッサ。どこも個性的で、東京でビルに囲まれて生活をしていると、どこまでも青い空と海の元あんなに平和な場所が地球上に存在するのさえ嘘のように思えてきます。

リオマジョーレの入り江

私が、「チンクエテッレ」の存在を知ったのは90年にポルトフィーノを訪ねた時でした。イタリア人、誰に聞いても「本当に素晴らしい!」と絶賛するばかり、その時から、その5つの土地を、ずっと心に思い憧れ続ける「夢の場所」の様に思っていました。

その願いが叶ったのは1993年の夏の終わりでした。イタリア人の友人と5つの村を徒歩で回る事になりました。それは世界遺産に登録される4年前、今よりも観光客が少なく、先祖から受け継いできた人々の生活の営みを間近で見られたような気がします。モンテロッサにホテルを取った私達は土地の人の勧めで、リオマジョーレまで電車で行き、徒歩で戻って来るというコースを選びました。

初めて降り立った「リオマジョーレ」、メインストリートの両側の崖に家が今にもずり落ちそうに立っていました。坂道に漁師船が並び、数名の漁師さんが網を繕っていました。海に続く長いトンネルを抜けると小さな入り江に出ます。村の一番古い場所、静かに波が打ち返し、まるで映画のセットの様だと思ったのを覚えています。 そして、隣村の「マナローラ」へ続く有名な遊歩道「Via dell`Amolle(愛の小道)」。断崖から広い空に抱かれて青い海見下ろしながら、歩くことが出来ます。1Km、30分位の道のりは心地よく、「次の村へはこんなに近いのだ?!」とハイキング気分でした。

「Via dell`Amolle(愛の小道)」

「Via dell`Amolle」のシンボルモニュメント

まさかその後、険しい峠道が私達を待っていようとは、その時は想像もしていませんでした。とにかく、地中海の心地よい風の中、愛が溢れそうなロマンチック気分で小道をたどり、着いた村「ナマローラ」。ここはこの辺りで一番ブドウの収穫が多い所とあって、なるほど街を取り囲むように石垣の段々畑が見えて、海に面した岩盤の上にカラフルな家が張り付くように並んでいます。

街の上に段々畑が広がるマナローラ

生活道にもなっている街中の小路をたどると、ブドウを潰している家族に出会いました。身内で飲むワインを造っているのでしょう、軒下の狭い所で、昔ながらの圧搾機を囲み働いています。友人が「彼女は日本人、ワインに興味があるのです!」と話しかけると、手を止めて満面の笑みで仕事の説明をしてくれました。こんな険しい土地でのブドウ栽培はさぞ苦労も多いはず、その実りの結集を大切にワインにしている様子が良く伝わってきました。

今思い出しても、本当に素朴で素敵な人達でした。

そう、この辺りの有名なワインはと言ったら、もちろん地名を取った「チンクエテッレ」。ドライな飲み口が爽やかな白ワインです。希少価値で最近は日本での価格が上がるばかり、特に世界遺産になった後はうなぎ登りです。

さて次の村「コルニリア」へは、段々畑が立ち並ぶ、細い道を登って行かなければいけません。近道もなければ、まして車なんてあるわけもありません。しかも道は細く、文明に置き忘れられたかの様な静けさノ.。二人とも歩くのに必死で無言、愛の小道のハイキングが嘘のようでした。目指す村は丘の上!いえ山の上。これはちょっとしたトレッキング?いえ峠越え。

山を登ってたどり着いた
コルニリアの街

とにかく足への負担が多く、今思えば一番辛いコースでした。そんな険しい土地に植えられた背の低いブドウの木々、そこで腰をかがめながら無言で作業をしている人々、そんな道をたどると、チンクエテッレでのブドウ栽培がいかに重労働か身に染みました。そしてやっとの思いで、海にそそりたつ絶壁にかろうじてバランスを取っているような村「コルニリア」へ到着!!道の大変さもあいまってか、石垣が積まれたこの村特有の風景の向こうに、海岸線を一望した時はなんとも気持ちが良かったです。

そろそろ空腹を感じ始めた私達は、この村で昼食を取り、5つの村の中で一番美しいと言われる入れ江に面した「ベルナッツァ」へ向かうことにしました。.

この続きは、ますますリビエラが恋しくなる7月にお話したいと思います。

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