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ミラノ便り No.7

ディアネッラさんとの出会い

バカンスでいつも行く山で、とてつもなく大きいきのこの破片を見つけたのが、彼女との交流の始まりであった。

香のいい、このキノコが食用かどうか、地元の知人に尋ねたところ、「ディアネッラに聞いてごらん! 彼女なら知っているさ!」と言う返事。

顔見知りの彼女の家に行くと、「これ、ヴェーシャというキノコ、この前私が見つけたのは1個、10キロもあったのよ。美味しいわよ~。」とのこと。

自宅に迎え入れてくれた彼女の家には、乾燥中のポルチーニや、粉末にしたキノコ、自家製の野菜から作った冬のための瓶詰めのソースなど、珍しいものばかり。

そういえば、昔、彼女はホテルをやっていたと話してくれたことがあったので、聞いてみるとシェフだったそうである。17歳で父親を亡くし、この村のホテルにコックとして働きに来て息子に見初められ結婚して早42年。

その彼女に、「本当は秘密なのだけど・・・」と言われつつも教えてもらったのが、このぺッツォ村のカモニカ渓谷(ブレーシャ県)の名物、カルスーという詰め物をしたパスタである。 各家庭で母から娘へと伝授されてきたカルスー。家庭ごとに微妙に作り方が違うが、シェフだった彼女は、村の人々にレシピを聞き、自分なりにアレンジしたそうである。

翌日、朝9時に彼女の家に着くと、詰め物がすでに用意してある。ボイルしたポテト、コテキーノという豚の腸詰のミンチ、ローストの残り、野生のほうれん草、スパイス等が混ざり合わさっている。

パスタの生地もすでにできている。パスタマシーンで生地を伸ばし、団子状に用意した詰め物を載せ、パスタを折り曲げ、コップで型を抜いていく。

「中身に空気が入ってしまったら、楊枝で穴あければ大丈夫」と秘訣も教えてもらった。2時間かけて、132個のカルスーができあがった。

熱湯でゆであげ、たっぷりの溶かしバターとセージ、燻製したパンチェッタで作ったソースと、おろしチーズをかけて食べる。 8人の知人や家族での昼食が予定されているとのことで、ウサギの煮込みももう出来上がっていい香が厨房に充満している。

カルスーを15個もらって、家で堪能した私。 後で聞いたら、あの日、一人で14個食べた人もいたそうである。

次回は、ここ地元のぺッツォ村(人口たった330人)でしか作られないタルト、トルタ・セッカ・ディ・ぺッツォを教えてもらう約束をした。

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