KAYANOのイタリア気分 No.39
2005年3月号
春を告げるカーニバル ヴィアレッジョ
2月の約2週間トスカーナに滞在しました。
寒さにめっぽう弱い私は留学時代の冬のイタリア生活が辛かったので「1、2月のヨー ロッパには行かない!」と公言してきたのですが...。ふとした切っ掛けで家庭料理とワインコースを受ける事になり出かけていったのでした。
勉強はもとより、イタリアを楽しむ事も忘れませんでしたヨ! そのひとつが、この時期だからこそ体験できた「カーニバル参加」でした。それもベニス・ニースに並ぶヨーロッパ3大カーニバルの一つヴィアレッジョの派手~なカーニバル!!
まずカーニバルですがキリストの復活祭(パスクワ)迄の40日間を禁欲生活の期間とし断食をします(肉を食べない)。その期間が始まる前の数日間は謝肉祭(カーニバル)。「お祭り期間」としたのが始まりです。カーニバルの語源はラテン語でCarne levare(肉よさようなら)からきているそうです。その謝肉祭と昔からヨーロッパに伝わる冬の悪魔を追い払う祭りが一緒になって、現在のカーニバルとなったのだそうです。カーニバルは、仮装中心の幻想的でシックなベネチア、「花の女王」が観衆に花束を投げる花合戦で知られるニース、「世界最大の祭典」と呼ばれサンバのリズムで踊りまくるリオ、等々その土地で様々のようです。
そして今回のヴィアレッジョは「カーニバルの首都」と呼ばれ、山車もしくは御神輿みたいなカーロ(CARRO)のパレードが有名で、質量ともに最大のものなのです。
ヴィアレッジョはトスカーナ州の西岸部ピサの北にある街、海岸ぞいにパームツリーが揺れる典型的な地中海沿岸のリゾート地です。
だいぶ前に「カッチュッコ」という魚料理を食べるために訪れたことがありました。あれから10数年の月日が経っています。
その時は4月の初めで静かな街という印象を受けました。その街で2月の4~5週間、毎週の週末に海岸近くの大通りでパレードが行われたのです。「これが同じ街?」と思うくらい街は表情を変えていました。街を彩る装飾がすばらしいカーロは、スポンサーが付き、各チームが前年から1年がかりで構想し制作するもので、コンクール優勝をめざし、職人たちが腕を奮います。テー マは様々ですが、政治・社会風刺の時事ネタが多いとか....。
今回私がお招き戴いたのはコ-ヒ-メーカーがスポンサーになったもので「カッチュッコ」と「ボナルダワイン」を合わせるキャンペーン付きでした。大きな天使が海の中を泳ぐようにデザインされ、ロックのリズムで人形も人も踊り続けます。感心するくらい良く出来ています。海岸通りのパレードは約3時間続きますが、2時間程乗せていただきました。始めは踊っている人々をちょっと冷ややかに見ていたんですが...。30分もすぎると私も乗り乗りでした。すれ違うカーロ達には飽きる事がありませんでした。
パレードの後の街はひっそりしていましたが、ここまで来たらやはり「カッチュッコ」を食べようとレストランに入ると、そこは「夜通しカーニバル?」っという感じ。子供 も大人も仮装してエネルギッシュに踊り続けていました。
今回の滞在、春を呼ぶにふさわしい素敵な出逢いばかりでした。その時出逢った人・物・料理やワインの数々、これからラフォンテの無形の財産になるはずです。少しず つ御紹介していきたいと思っています。