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KAYANOのイタリア気分 No.48

2005年12月号

サルデニアの花!フィオーレサルド

2005年9月19日。久しぶりに踏んだサルデニア島の土。 到着したのは島の南、州都のカリアリ。

朝、成田を発ってローマ経由で着いたのが同日夜8時過ぎ。時差があるとはいえ、案外近いと思いませんか?

タクシーを飛ばしてホテルへ。夜で、しかも曇っていたので、海どころか空もどんより星も見えない...。12年前、言葉さえ失った美しい地中海 アズーロ(ブルー)との再会は明日以降に持ち越しのようだ。

丹精こめて作ったチーズを切るミケーレ

「今回は食文化を通して人々の生活に触れてみたい!」と思いながら、一足先にサルデニアに入った連れが待つホテルを目指した。

サルデニアはとにかく広大。(多分北海道と同じ位の面積だと思います。)自分で運転も考えたのですが、何せ土地勘がない。その上カーナビが付いてない車を運転するのはリスクが高そう。結局、知人の紹介で地元の人にお願いすることにした。

今回ドライバー兼案内役を買って出てくれたのが「ミケーレ クスクーザ」さん。

本職は飼羊・チーズ作り。8月まででチーズ作りの仕事が一段落したことので今回4日間お付き合いいただく事になった。

彼に朝9時にホテルに来てもらうことになっていたが、なんと8時半に来てくれた。イタリア人に待たされる事はあっても、待たせる事は初めてかも??

その行動にふさわ しく第1印象は誠実そうな農業青年という感じ。4日間、口数は少ないが効率的に案内をしてくれた。その後、彼だけでなくサルデニアの人が几帳面で礼儀正しく感じが良い事を身を持って体験する。

チーズは静かに熟成中

初日はカリアリの西に位置するオリスターノに向かって車を飛ばす。天気は曇り。最短距離で行くので内陸を走る事になる。今日もアズーロには出逢えないのかなぁ~。山に向かって走りながら初めに連れて行ってもらったのはミケーレのカセイフィチョ (チーズ工場)だった。

彼は6人兄弟の下から2番目で4人の男兄弟の内、3人がチー ズ作りに携わっている。

まずチーズ造りをする場所を見せてもらう。今は可動し ていないが、チーズの熟成香が立ち込めている。ジメっとした涼しい貯蔵庫に並ぶチー ズは静かに熟成を続けている。 その時遠くから「カランカラン」と無数の鐘の音が聞こえてくる。一つ一つはゆっく りだが、それが和音になって無数の音が近づいてくる。羊達が枯れ草を食べるために小屋に追われて来たのだ。

規則正しく並び草を食べる羊

フィオーレサルドと蜂蜜の組み合わせは絶妙

サルデニアのパン
「パネカラサウ」

サルデニアの産業は農業漁業。特に羊の飼育が盛んで、何と羊が人口の5倍いるという。サルデニアを初め、イタリアも地中海の沿岸は牛よりも羊が多く飼われいる。きっと気候が羊向きなのでしょう。羊のミルクは牛のミルクに比べると脂肪分、たんぱく質などが多くてまったりとした濃厚な味わいが特徴。そのミルクからつくるチーズも当然味わいの濃いものができあがります。特にサルデニアの羊乳から作るペコリーノサルドの美味しさはイタリア人に定評があります。

その中でも卓越したのがDOP(原産地呼称)という法律で守られ、オリスターノ地域限定で無殺菌の羊乳で作られる「フィオーレ ディサルド」(サルディニアの花)と名付けられたチーズです。

羊乳特有のくさみ、甘みの中に、ちょっと刺激的なツンとした辛さを感じるがそれ程クセのあるチーズではなく、そのエレガントな仕上がりがまさに花と呼ばれるにふさ わしいのです。

ミケーレが作っているのはまさにこのDOPの「フィオーレ ディサルド」。小屋に入った羊達は規則正しく並んだ首輪に1頭ずつ首を入れて、餌を食べる姿は中々圧巻!今まさに目の前で草を食べている羊達がサルデニアの花を作り出すなんて考えただけで感動的でした。

熟成庫に戻り家族で丹誠込めて作ったチーズを試食させてもらった。熟成もさほど長くないので(2ヶ月以内)ハードタイプにしてはサッパリと食べられる。そうなんて上品な味!ミケーレお勧めのサルデニアの蜂蜜が塩味を甘く引き立ててくれる。

サルデニアのワインに
囲まれ嬉しそう

サルデニア名物の
ボッタルガ

サルデニアの民芸品

後はサルデニアのパネ「カラサウ」と赤ワイン「カノナウ」があれば最高。

それと忘れてはならないボッタルガ...。

と言う事で、アズーロの空と海に向かって、さらにサルデニアの食材を求めて旅に出かけるとしますか!!

今年もとうとう最後の月になってしまいました。

1年間、気分次第のこのページを呼んでくださってありがとうございました。

まだまだ来年も続きます。

ではよい年をお迎えください!

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