KAYANOのイタリア気分 No.50
2006年2月号
思い出のトリノ オリンピック開催!
今月はサルデニアは少しお休み。今話題の街「トリノ」のお話しです。
山に囲まれたピエモンテ州の州都のこの街で2月10~26日の16日間、冬期オリンピック開催!ここは私が生活をした事もある街だし、ユーベの試合で足を運んだ事のある「スタジオ オリンピコ」で、開会と閉会式が行われるなんてなんか感動!
私は93年、3ヵ月間トリノでピエモンテ州が主催する外国人向けの料理学校の学生として過ごしました。季節は春~初夏。寄宿舎を備えた州立の施設はポー川を越えて街を見下ろす丘に位置し、街のシンボルのMole Antonelliana(モーレ・アントネッリアーナ)の塔を中心に街が美しく見渡たせました。
丘を下ると川沿いには美しいバレンテイーナ公園。
休日にはウォーキングや、川にボートを浮かべる人々を眺めながら緑に囲まれてシェスタなんかもしました。
街のまん中を通るVIA Roma には高級ブティックが並び、フランスに近いとあってセンスも中々です。ブランドには全く無縁だった学生でさえもウインドウショッピングで華やいだ散歩が過ごせました。通りを進むと「ピアッツァ サンカルロ」そして「ピアッツァ カステッロ」と大きく優雅な広場は街の歴史を物語ります。
実はこの街、1861年イタリア統一後、初めての首都に制定されました。イタリアを統一した王、エマヌエレ二世のお膝元で貴族中心の宮廷文化が花開いていた頃です。街のたたずまいはと言うと重厚なゴシック建築の建物が並びます。
近代のフィアットの発展により貴族の歴史にさらに磨きがかかり、とても裕福な感じを受けました。 ただ、さすが自動車の街だけあって交通量が多く、少し息苦しくなる事もありました。
元首相官邸の前にある「リストランテカンビオ」は初代のカブール首相の御用達。今でも高級レストランとしての威厳を歴史と共に保ち続けています。シェフが学校の講師だったので、一度だけ清水から飛び下る気持ちで食事をしました。シャンデリアや調度品の数々に、とにかく圧倒されました。お料理は芸術の域まで達していて、高級レストランの神髄を見た気がしました。
でもトリノはこんなに高級店でなくても、美味しい料理・ワイン・お菓子がにあふれています。料理の勉強をするには素晴らしい環境だったんです。
トリノは居ながらにしてイタリア各地の料理が楽しめます。そのバラエティーさと行ったらローマにもミラノにも負けません。それは工業都市としての発達時にはイタリア各地からの出稼ぎが多かったためです。出稼ぎは料理人も例外でなく労働者に郷土の味を提供すべく彼らはレストランを開いたのです。 それに結構アジア料理のお店も多いのです。中華料理屋は数しれず。最近は寿司が人気で、知人のイタリア人は寿司レストランで大当たりしたようです。ピエモンテ料理に飽きたらどうぞ!
そしてトリノで忘れてはならないのがカフェとチョコレートです。
街の中心、カステッロ広場の「カフェトリノ」にはいつもシックな服に包んだ威厳のあるシニョーラがカッサ(レジ)に居て、笑顔で会計をしてくれました。それとガレリアにある「カフェ アルカディア」。カフェは座ると高いのでいつも立ち飲みで、注文するのは決まってカプッチ