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KAYANOのイタリア気分 No.51

2006年3月号

ピエモンテのaffasinante(魅惑的)なドルチェ達

皆さん!トリノオリンピックは堪能されましたか? 私は毎日寝不足、かなりはまっていました。日本選手は惜しい場面もありましたが、4年に一度のスポーツの祭典はやはり気迫が違いましたネ。

競技も然る事ながら、中継で映った街の様子。トラム(路面電車)が広場を横切る場面を見ていたら、思わずトリノの知人に「トリノが懐かしい!」とメールしてしまいました。すぐに「トリノへ戻っておいで!」と優しいお返事。『今年は訪ねてみようかな~』とノスタルジアに浸り、甘い気持ちになっていたら、今月はピエモンテのドルチェを御紹介したくなりました。

トリノのパスティテェリァ
(お菓子屋さん) のウインドウ

先月チョコレートのお話を書きましたが、他にピエモンテには、「アマレッティ」・「サボイアルディ」・「ボネ」・「バーテ ディ ダーマ」とイタリアを代表するaffasinante(魅惑的)なドルチェが4つあります。

トリノでは街角のパスティチェリァ(お菓子屋さん)にさり気なく、センス良く並んでいましたっけ....。

バッケージにはさり気なさにセンスが光ります。

まず、「アマレッティ」はアーモンドパウダーと砂糖と卵白を混ぜて焼いたシンプルな焼き菓子。半円形で少しひび割れているのが特徴です。アマーロは苦いという意味ですが、アーモンドのほろ苦さが特徴です。私はカプチーノとつまむのが好きです。日本でも「ザネッティ」とかイタリアンカフェでけっこう見かけますよ!

「サボイアルディ」はティラミスにも使われるフィンガービスケット。イタリア最後の王家サボイア一族の名前に由来するのですから、由緒正しいお菓子に違いありません。デザートワイン・アスティスプマンテと相性抜群です。

「ボネ」は「ベレー帽」という意味です。形が似ているからでしょうか?どんなドルチェかと言えば、砕いたアマレティを混ぜ込んだカカオプリン。ココアの苦味にアマレッティの独特な風味が加わりしかも柔らかな口当たり...。ピエモンテを代表する「ボネ」はアーモンドとカカオの風味が溶け合って素朴な中に高貴な味わいです。

表面のひび割れが特徴の
アマレット

サボイアルディは
王家に由来するクッキー

カカオプリンの「ボネ」
素朴な中に高貴な味わい

トルトーナの
パスチェテエリァの看板

そして「バーチ ディ ダーマ」は「貴婦人のキッス」というお洒落な名前のクッキー。小麦粉・アーモンドパウダー・砂糖・バターを同量で合わせて作ります。

形作る時は、真ん丸にまるめるのですが、オーブンに入れると生地のバターが解けてドーム状の形になってくれます。それを二つ溶かしチョコレートやジャムでドッキングさせると、クッキーがキスをしているように仕上がります。それが名前の由来です。

卵が入らない生地は口の中でモロモロと崩れ、独特な触感です。

トリノから1時間位のトルトーナという街のパスティチェリァ(お菓子屋さん)が発祥だそう。

偶然2年前そのお店を訪ねた事があります。人気のイタリアドルチェをとあって、小さなお店ながら笑顔で勧めてくれたシニョーラにはプライドさえ感じられました。味はもちろん抜群でした....。

オリンピックは終ってしまいましたが、懐かしいトリノに戻る日を思いながら甘い気持ちで大会の余韻に浸るとしますか。そうピエモンテドルチェをつまんで、アスティスプマンテの立ち昇る泡を見つめながら....。 春も近い事ですし!

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