La Fonte Italian Cooking Studio Perche non vieni astudiare la cucina italiano alla Fonte?

  • 初めての方へ
  • お問い合わせ
  • インスタグラム
  • フェイスブック
  • youtube

トップコラム > KAYANOのイタリア気分 No.60

KAYANOのイタリア気分 No.60

2006年12月号

お洒落心はお料理の隠し味!

ピアスコレクション

私は今時の若者であるはずがないのだが、ピアスホールが5ケ開いている。イタリア修行の記念やラフォンテの開校記念 等、体に刻んでいたら?いつの間にか数が増えてしまった。おまけに大振りで主張のあるイヤリングが好きなものだから、中身に反して?ちょっと派手に見られがち....。

実は、私のひそかな趣味が「イヤリング収集」。日本ではもちろんヨーロッパに出かけると平均3ケは買ってくる。ショップを覗くと「貴方にぴったり!私を連れて行って!」とアクセサリー達が訴えかけるものだから、最近はイヤリングにネックレスも加わって、私のコレクションは中々のものです。でもデザイン重視で高価な物は無いので念のため。

マウリッチャ シェフとご主人

マウリッチャ シェフとご主人 この趣味が始まって10年以上は経つかな~?毎朝、その日の服装・髪型・気分で耳元と胸元を飾るのが、ささやかな私の楽しみ。実は、それにはイタリア留学中のちょっとした思い出があるのです。

料理の世界に入った20年程前、料理研究家のイメージは今よりずっと質素だった気がする。特に私が仕事をしていたクッキングスクールでは先輩より、目立つ事は悪とされた。お化粧もなるべく薄く、アクセサリーなんてもっての外。「料理は地味に作る物!」という事が、いつの間にか身についてしまった。

その私の意識が変わったのは、93年に学んだトリノで、講師の女性シェフとの出会いがきっかけだった 。彼女はピエモンテ州カネッリにあるミシェランひとつ星「サンマルコ」のマリウッチャ シェフ。日本ではまだまだ女性シェフなんて少なかった時代、彼女は私の憧れだった。彼女が教壇に立つ姿は凛々しく、輝いて見えた。そして繊細にも大胆な料理を仕上げる彼女の耳元には大振りなイヤリングが輝いていた。

女性料理人にとって、指輪やブレスレットは仕事の邪魔。胸元のネックレスはコックコートで隠れてしまう。イヤリングだけが回りにアピールできるたった一つのアクセサリー。 そして、その素敵なイヤリングに負けない彼女の芸術的な料理を見た時、「そう、料理をする時だって少しはお洒落をしなくては!女性らしさを忘れたら、きっと美しく美味しい料理は作れない!」と感じたのだった。

その後、厨房やキッチンに立つイタリアのシニョーラ(女性)達に注目したところ、華々しく着飾るわけではないが、皆、お洒落心を忘れていない事に気が付いた。服装だったり、エプロンだったり、アクセサリーだったり...。彼女達に運ばれた料理は気分も華やかに戴けるから不思議なものだ。そして料理を待つゲストたちも、「今日のエプロン素敵ね。」 「そのイヤリング、貴方にぴったり!」と、シニョーラ(女性)達をきちんと褒めてくれる。

サンマルコの前菜

特にイタリア男性がその辺りは素晴らしい。(たまに、歯が浮くようなの物もありましたが...。) そうすると、女性達はさりげなくお洒落をして、お料理もますます頑張るってもんなのです。美味しく美しく、相乗効果って感じでした。 そして、私も少しはあやかろうと、「イヤリング収集」の趣味が始まったって訳です。

先日、カネッリに滞在の折「サンマルコ」に食事に出かけ、久しぶりにマリウッチャ シェフにお目にかかった。相変わらず華やかで、50代半ばに入るというのに、十数年前と少しも変わっていなかった。そして芸術的な料理はますますパワーアップしていた。きっと厨房での地味な仕事の折にもオシャレ心を忘れずにいたからではないかしら? 「私も年を重ねても、彼女の様にパワーを保ちたい!」 これからの目標をもらった気がした。

サンマルコのデザート

こんな風に、お料理も華やかな気分で取り組むと、美味しく出来ること間違いなし!皆さんもキッチンに入る時、少しだけ意識してみたら?そう、「お洒落は料理の隠し味」にきっとなるはずだから....。

美しい女性に運ばれて来た料理に、友人や家族もきっと満足!されるのでは?? そして家族の皆様、特に男性!お料理以外にもお褒めに言葉をお忘れなく! 美味しい料理を戴きながら、美しくなってゆく、恋人や奥様を見るのは楽しみが倍増ではないですか?

By kayano Sakagami

六本木 けやき坂

12月に入り、六本木けやき坂は白とブルーのライトに輝いて、オレンジの光の東京タワーに2006年の文字。その中を夕暮れにお散歩をすると、今年の出来事がひとつずつ浮びます。

素敵な出会いや、感激の再会もあったけど、悲しい別れもありました。春先には体調を崩し皆さんに御心配をおかけしました。 嬉しかった時はもちろん、辛かったときも、皆さんの励ましで、「人生捨てたものじゃないな~。」って改めて感じた年でした。今、私の心は行く年2006年への感謝で溢れそうです。この心が皆さんに届くように新しい年へつなげてゆきたいです。本当に1年間ありがとうございました。

今年のクリスマスは誰と過ごしますか?そして、新年は?

大切な方々と過ごす時、是非、ラフォンテのメニューを登場させて下さいね。

Buon Natale e Buon Anno ! (素敵なクリスマス そして 良い年を.....)

コラムに戻る