KAYANOのイタリア気分 No.66
2007年6月号
ナポリの休日1「都会の喧騒から自然豊かな地中海の島へ」
5月初旬、2年半ぶりにナポリに滞在しました。
イタリア研修の通訳・コーディネートを終え2日間フリーの滞在。一仕事終えて気持ちも軽く、天気にも恵まれ思う存分「ナポリの休日」を楽しむことが出来ました。
今回はちょっと贅沢をしてサンタルチア港近く パルテノーペ通りのホテルに滞在しました。その辺りはベスビオ火山・ソレント半島・カプリ島を臨むロケーションで高級ホテルが立ち並ぶびます。
1日目、とにかくナポリを歩き回りました。サンタルチア港から王宮前のプレピシート広場・ウンベルト一世ガレリア辺りはナポリ王朝の繁栄が今でもしのばれます。広場横の老舗カフェ ガンブリヌス でくつろぐのもお勧めですよ!
街を縦断している、ちょっとお洒落なトレド通り、センスの良いウインドウを眺めたり、路地を入った露天を冷やかすのも楽しいものです。女性を誘惑し慣れたナポリの男性は車の中からでも声をかけて来ます。(ただの挨拶なので、完璧に無視です。)
ベスビオ火山を臨む
サンタルチア港
ウンベルト一世ガレリア
カフェ ガンブリヌス
そして庶民生活の息吹に溢れるスカッパナポリへ、机ひとつでタバコを売るおばさん、教会の階段を利用した骨董屋さん、揚げパンの匂い、建物が迫る細い路地からふと見上げる青空、活気があってナポリらしくて、いくら歩いても疲れを感じない私の好きな場所。ランチにピッツエリァに入った他は5時間位は歩いたかな~。
スパッカナポリの骨董屋さん
夜ホテルで歩き疲れた足をバスタブに浸しながら、「明日はイタリア最後の日、ナポリの休日をどう過ごそうかしら?」と考えた。ナポリの喧騒から離れた観光客の少ない所…。「やっぱり島かな~。」カプリ島は何度か行ったし観光客で溢れてる…。イスキア島は1日滞在では足りなそう…。
「そうだ、プロチダ島に行ってみよう!」と思い立った。
スパッカナポリのお土産屋さん
そこは1996年製作の映画「イル ポスティーノ」の舞台になった島で以前から訪ねたいと思っていた場所。 大分前に見た映画ですが、1950年代、島の貧しい青年「マリオ」とチリの詩人「パブロ・ネルーダ」とのふれあいを描いた物語。決して派手な映画ではないけれど、島の美しい自然、漁を糧にする素朴な人々、それは美しい言葉と共に心に響き渡ったのでした。
イルポスティーノ
ナポリの喧騒も魅力的だけど一日でたくさん、自然豊かなプロチダへ行けば映画に登場するような素朴な人々に出会えるに違いないと、都会での疲れを癒すように私は深い眠りについたのでした。
プロチダ島の港
Foto by Miyako Iwai
そして晴天の2日目、ナポリから高速船で45分、地中海に浮かぶ、プロチダ島へひとり渡って行きました。私を乗せた船は小さなポルト(港)に入ってゆきます。デッキに立って島が近づいたときは声を上げたいくらいの感動でした。そう、ピンクと黄色の可愛い建物が並ぶ、想像通りの可愛い島だったのです。
「来てよかった!自然に浸りながらしばし魂を休めるぞ~。」
そう誓い、喉の渇きを癒し、インフォメーションを貰おうと港に面したバールに立ち寄った。そこで飲んだスプレムータ(生ジュース)の美味しかったこと….。
コリチェッラ地区
たまたま入ってきた青年に「私は5時間ここに滞在するのだけれど、どこに行ったらよいかしら?」と話しかけてみた。
突然、東洋の女にイタリア語で話しかけられて怪訝そうながら、「まずはコリチェッラ地区かな?歩いても15分だよ。僕はそこに住んでいるから送ろうか?」と静かに答えてくれた。ナポリでは知らない男性の車に乗るなんて考えられないことだけれど…。バールのご主人と彼は知り合いみたいで「それがいいよ!」と言うし…。彼の様子を見てしばらく考えた、ちょっとシャイなその青年、ポスティーノのマリオを思わせるような素朴な印象…..。(ちょっとジェラール フィリップに似ていました。)
ミクロタクシー
Foto by Miyako Iwai
結局、彼の車で送ってもらうことになった。普通はミクロタクシーで行くらしいけど…。
彼の名前はビンチェンツィオ、職業は船員さんで船に乗らないときは兄弟の漁を手伝っている、39歳、とてもハンサムなのになんと?独身!そんな話をしながら、細い路地の上り坂を5分ほど車で走った後、高台で私を降ろしてくれた。そこからは、息を飲むほど美しい海が眼下に見下ろせる。
「ポスティーノのロケ地に行くなら、ここから下がって行くといいよ!」
「ありがとう助かった!」別れの挨拶をして石段をゆっくり降り始めると…。
「待って!僕が案内するよ!」と背中から私を呼び止める。
美しい地中海を前に、なんだか映画のワンシーンにいる気がして、「もう少し彼とお話をしてもいいかな~!」と少し甘い気持ちになったのでした。
さて、こんな私にも、旅のロマンスが訪れたのでしょうか?
ご迷惑でなければ、来月お話させてくださいね。