ミラノ便り No.2
キノコの季節
やってきました!!!
何がって?? フンギ(きのこ)の季節が・・・
雨不足のせいで、普段なら7月には採れるポルチーニがやっと顔を出し始めたのは9月に入ってから。9月初めに雨が降り、9月3日は新月という好条件に恵まれ、仕事で行く先々でポルチーニ到来のニュースを聞いて気が気でない私。
私がいつも行くのはミラノから車で2時間ほどのロンバルディア州とトゥレンティーノ州の境の1500m級の山。モミの木の林の中に足を踏み入れると・・・香ってくる・・・菌糸類の香。白いご飯をお弁当箱に入れて持って行ったら、この香だけでご飯が食べられそう、と言ってはいつも皆に笑われる。地元の人たちはこの香を、「森が熟してきた」と表現する。乾燥していた夏の間、外に出たくても出られなかったきのこたちが、待っていましたとばかり、勢揃い! こんなにいろいろな種類のきのこが生えているのを見るのは、8年間この山に通っているけど、初めて。
ベニテングダケ
まず目に付くのは有毒のベニテングダケ。
小さいころ読んだ童話の挿絵を思い出す。
主に唐松の下に生える食用のラリチーニ(和名は不明、ヌメリイグチの1種?)。傘の表面がヌルヌルしていてちょっとナメコのよう。
カラカサダケ
私の掌より大きい見事なマッツァ・ディ・タンブーロ(別名オンブレッローネ、和名カラカサダケの1種?)。
大きな傘というイタリア名そのもの!
傘の裏はひだになっていて、いしづきのところにあるつばが上下に動くのが特徴。傘の部分を溶き卵にくぐらせ、パン粉とおろしチーズをまぶして、油を引いたフライパンでゆっくり火を通すと、ステーキも顔負けの美味しさ。
カラカサダケ
でも、もう1時間も林の中をさまよっているのに、お目当てのポルチーニはみつからない・・・ ちょっとめげてきた時に、あったぁぁー!!
傘がきれいに地面から外に出ている色白のポルチーノ!(ちなみにイタリア語では1個の場合はポルチーノです)
フランス製のきのこ採り専用のナイフで丁寧に周りの土を取り除き、いしづきを掘り出す。いしづきに着いてくる土をきれいに取るのも大事なこと。というのは、ここにはポルチーニの胞子が残っている可能性があるので、地面に戻してあげなければいけない。きれいに掃除したポルチーニを鼻に近づけ、その香を満喫する。ちょっとバターに似た香がある。
1個あったら、その近くにも生えている可能性は強い。注意深く周りを見回すと、あった、あった、3個並んでポルチーニが!
ワクワクして掘り出すといしづきが地面の中に長く隠れていて、とっても立派。
結局、この日は800gの収穫。悪くはない。
自家製パスタ
小さいのは、縦に薄切りにして溶き卵とパン粉でフリットにすると、ポルチーニの甘味が堪能できる。
傘の部分はやはり薄切りにして炒め、自家製のタリオリーニ(細い手打ち麺)のソースにする。
新鮮なポルチーニならではの美味しさ!
でも、イタリアを旅していても、大都会で地元産のポルチーニにはなかなかお目にかかれません。大半はスペイン産、クロアチア産です。
もし、地元の採りたてのポルチーニを楽しみたいなら、田舎のトラットリーアがお勧め!
あっ、でもこの記事を読んで、イタリアの林で見つけたきのこを口にはしないでくださいね。危険です。
ちなみに、私はイタリアできのこ教室に通ったので、すこーしは、基礎知識があるので確実なものだけ食べています。