ミラノ便り No.11
サルデニア旅行
ボッタルガのペースト
サルデーニャに行ってきた。今まで、夏のバカンス、あるいは仕事で訪れたことは何度かあるのだけど、今回はサルデーニャの食品や手工芸品を輸入している日本人の友人を訪ね、食に関わる旅である。ミラノから50キロほど離れたベルガモの飛行場を後にしたときは30度近い暑さで、サルデーニャの美しい海で泳ごうと水着を持っての出発。
魚の追い込み漁の見張り小屋
私の期待は見事に裏切られ、1週間近い滞在で、太陽を見たのは数時間にも満たなかった・・・でも、何しろ印象的だったのは、サルデーニャ人のホスピタリティーと、イタリア本土とは違う食生活、食に関する意識、フォークロアであった。こんなに友好的にしてもらえたのは、ひとえに友人のおかげである。サルデーニャ人の彼女への信頼、そして彼女のサルデーニャへの情熱がなければ、私はこれほどまで歓待してもらえなかっただろう。
スズキ、クロダイの炭火焼
パーネ・カラザーウ
イノシシの煮込み、硬質小麦で作ったフレーゴラというクスクスのようなパスタとボッタルガ(カラスミ)、前日水中銃で仕留めたばかりの新鮮なスズキやクロダイの炭火焼、時期はずれだけど、、、と言ってご馳走になったウニのスパゲッティ、手作りのアーティチョークのオイル漬け・・・どれをとっても心がこもった一品だったミラノでサルデーニャ料理の店に行くと、必ず出てくるパーネ・カラザーウ(カルタ・ディ・ムーズィカ)。パリパリと香ばしくて、見た目は硬くなったクレープという感じなのだけど、実際に木の釜戸で作るところを見せてもらった。想像もしなかったようなその作り方にびっくり!ぜひ、その詳細は私の友人のホームぺージに出ているので、じっくり見て欲しい。
http://www.delizie-italia.com/
焼きたても美味しいけど、暖めてエキストラバージンオイルをかけたもの、あるいは湯に浸してトマトソースと層にしたラザニヤ風も絶品なので、手に入る機会があったら、簡単にできるのでぜひ試して欲しい。
ウミネコ
地元のワイン祭りにも連れて行ってもらい、アルコールのダメな友人をほっておいて(?)、試飲用のグラスを胸にぶら下げ、サルデーニャの男どもの間に混ざり(サルデーニャはまだ男社会、という印象を受けた)飲み歩いた私。ミラノに戻る飛行機が出るカーリアリの空港に、持ちきれないほどのサルデーニャのパスタを持って職場から駆けつけてくれたサルデーニャ女性。たった1週間の滞在だったけど、彼らの人情の深さと、泳げなかったブルーの海に後ろ髪を引かれながら、ミラノへの帰途についた。