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サルデニア便り No.3

サルデーニャのドルチェ-お菓子

パン・パスタに続いて今回はドルチェ-お菓子です。

島で穫れるアーモンド、ペコリーノのリコッタやフレッシュチーズ、ハチミツ、etcを使ったサルデーニャのお菓子たちは約1000年もの歴史を誇ります。その間、様々な国に支配されていたため、それぞれの国の影響を受け、変化してきました。またそれと共に酪農家たちの経済を支えるひとつとしても広がり、彼らたちの創る豊かな原料は島の菓子職人たちの創造力を沸き立たせ、たくさんの種類の形・香り・色を作り上げてきました。

それらのお菓子たちは子供たちはもちろん、大人たちもそれらを前にすると容易に子供に還らせる力を持っています。また、カーニバルやパスクア(イースター、復活祭)、クリスマスなどあらゆるお祭りにお菓子は欠かせないもので、行事毎・地域毎に異なるお菓子が存在します。

お菓子たちをご紹介する前に、そのお菓子たちの材料のことを少し・・・。

ちょうど今頃(2月頃)から島中で満開になるアーモンドの花。ピンクの花は私たちにも馴染みのあるアーモンド、白い花は苦アーモンド。苦アーモンドというのはとてもそれだけをそのまま食べられないほど苦い、杏仁豆腐に使われる杏の種に似た香りの実です。

それを普通のアーモンドにほんの少~しだけ混ぜて焼き上げたアマレッティと言うお菓子はサルデーニャだけでなくイタリア本土ででも作られているのでご存知の方も多いと思います。苦アーモンドはさておき、アーモンド無くしてサルデーニャのお菓子を語ることは出来ないほど、数々のお菓子作りのベースとなっています。

アーモンドと共によく使われるのが"サバ"と呼ばれるブドウまたはウチワサボテンの実の絞り汁を煮詰めて、煮詰めて作ったジャムのようなモストコット。ちょっとほろ苦甘酸っぱい、黒っぽい蜜のような液体(わかりにくい表現でスミマセン・・・)で、独特の風味があり、私は好きですが、

苦手な人も多いかも。わかりやすく言えばレーズンを濃い味にしてようなもの、かな???

サルデーニャのお菓子がベタベタに甘くないのは砂糖よりハチミツを使うことが多いからかも。種類が多く、品質の高いサルデーニャのハチミツ。それはきっと美味しい空気の中で育った豊富な花々と研究熱心な養蜂家の技術によるものだと思います。お菓子作りに使われるのはあまりクセのない、優しい味のアスフォデロ(ユリ科植物のツルボラン)やアグルーミ(柑橘類)のハチミツなど。

また逆に個性的で珍しい苦ハチミツのコルベッツェロ(西洋ヤマモモ)を使ってその風味を生かしたお菓子にすることもあります。

ではではそれらの材料を使ったお菓子たちです~。

・セアダス(またはセバダス)

サルデーニャの代表的なお菓子のひとつで地域によって多少作り方や材料が異なりますが島中で作られます。

セモリナ粉と少々のラード、ぬるま湯でこねた生地を円状(または半円状)に薄く伸ばし、羊のフレッシュチーズとレモンやオレンジの皮を卸したものをのせ、その上にも生地をのせて挟んで閉じ、オリーブオイルで揚げたもの。熱々にほろ苦いコルベッツェロのハチミツ、または砂糖をかけて食べます。

ただ、このお菓子、食後のお菓子として出てくることが多く、その大きさ(普通、直径6cmぐらい!)といい、チーズ入り揚げ菓子、ということで食べ切るのはちょっと辛いかも、です。

・ジッポレ

カーニバルに食べられるドーナツのような、チュロスのような揚げ菓子。イーストを入れた生地を練り、寝かせて手で形づけて油に入れたり、地域によっては漏斗のようなものでとぐろを巻くようにして流し入れ揚げるところもあります。生地にはリコッタチーズやマッシュポテトを入れるところも。生地自体に甘みを入れないので砂糖をまぶします。

・パルドゥラス(またはフォルマジェッレ)

パスクアのお菓子で小麦粉またはセモリナ粉とぬるま湯、ラードでこねた生地を薄~く円状にのばし、羊のリコッタチーズまたはフレッシュチーズ、卵、セモリナ粉、砂糖、サフラン、レモンやオレンジの皮を卸したものをこねた具(?)をその生地の上に乗せ、生地を何ヶ所か指でつまんで形作り(上の部分は中身が見える状態)、180~200℃のオーブンで約30分焼いたお菓子。皮になる生地の部分はパリッと、中身はフワッとやわらかく仕上がり、食べるとチーズの香りが広がります。

・パーネ サバ

小麦粉と前述のサバ、アーモンドやその他の木の実、レーズン、スパイスなどをこねて発酵させ、180~200℃のオーブンで約1時間焼き、表面にサバを塗ったお菓子。甘酸っぱい、かなりどっしりしたお菓子なので羊羹のように薄くカットして食べます。昔はクリスマスや特別な日に作られていましたが、今では年中あるお菓子です。

・パバッシーニ

11月1日の諸聖人の祝日に作られるお菓子。地域によって形や作り方、材料が少々異なりますが、一般的に小麦粉とアーモンド粉、ベーキングパウダー、レーズン、卵、スパイスで菱形に作られるクッキー。サバを使ったしっとりしたものもあり、その多くは円錐型に形作られます。

・ティリッカス

諸聖人の祝日の明くる日(11月2日)は故人の日、お墓参りをする日で、1年のうちその時期だけに作られます。パルドゥラスと同じように薄~い皮になる生地を細長くのばし、アーモンド粉、サバまたはハチミツなどで作った具をのせて形作り、焼いたお菓子です。

・ビアンキーニ

アーモンド入りのメレンゲ菓子。卵白に砂糖、レモン汁を加え、かたく泡立てて、ローストして細かく砕いたアーモンドを足します。天板にメレンゲを盛り上げるように形付け、離して置き、80~90℃のオーブンで焼け色がつかないように90分ほど乾かすように焼きます。焼きが足りないと卵臭さが残ります。

今回ご紹介したのはサルデーニャの伝統菓子のほんの一部です。まだまだたっくさんご紹介したいお菓子はあるんですが、ホント、キリがない・・・{{(>_<)}}

もっと詳しく知りたい、サルデーニャでお菓子作りを習いたい!という方はぜひご連絡下さい!

現地でお菓子屋さん巡り、お菓子作りのレッスンなどもコーディネートしています。

Delizie d'Italia

HP http://www.delizie-italia.com

delizie@delizie-italia.com

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