南イタリア便り No.6
2008年11月公開
パレルモの路地から
久しぶりにシチリアへ行ってきました。仕事の帰り道、幸い時間があって、久しぶりにゆっくりとパレルモの路地を歩いてきました。シチリアといえば、地中海の食材宝庫といわれ、新鮮な魚、野菜、肉類が手に入るし、歴史的な背景からも他のイタリア町とは違って、食文化が実にバラエティーに富んでいます。
その昔、アラブ人たちがもたらしたスーク(市場)文化がパレルモに根付き、人々は道端で物を売り始めるようになりました。今でもパレルモ市内には、大きな青空市場が3箇所あり、一度路地へ足を踏み入れると、楽しくって、あっという間に時間が過ぎてしまいます。そんな青空市場の話は当方のサイトをごらんいただくことにして、今回は食べ物にまつわる道具のお話です。
Via Calderai(鋳掛屋、ボイラー製造業者)は、その名の通り、鋳物を扱う店が集まっています。この時期だと、焼き栗器なんかが人気かな?また、パレルモならではのパーネ カメウサ(臓物のパニーノ)の臓物をいためる鍋とか…。とある店で、不思議な道具を発見。店番をしているお祖母さんに「これ何に使うんですか?」と尋ねたところ、答えは、実にシチリアでしか使わないだろう?という道具でした。
何だと思います?
そう、Fico di India収穫用ツール。
知らない方も多いと思いますが、Fico di Indiaとはウチワサボテンの実です。中は種だらけですが、ためらわず種ごと食べる果物で、南部イタリア、特にシチリアではポピュラーな果物。しかし、サボテンですからね、とげがすごいんですョ、とげが。軍手なんてぜーんぜん効き目なし。そこで登場なのがこの道具。いや、大笑いしちゃいました。これで、手にとげが刺さることもないですね。安心!
次にシチリアンツールその2。アルミの筒?そう、これはお菓子の道具です。シチリアといえば、カンノーロと、カッサータですよね。筒はカンノーロの筒を作るのに使います。油で揚げるときに使うんですね。右のゼリー型のような小さな型は、カッサティーナ(小さなカッサータ)の型です。どちらもRicotta di pecora(ヤギのリコッタチーズ)を大量に使う、シチリアの伝統菓子です。ついでに大きなグラス型はナポリが誇る菓子、ババの型ですね。更に初秋のこの時期は、カリンを擦ってゼリーのように固めるお菓子、コトニャータの型もあります。
と、見ているだけで、へぇ~、ほぉう~と飽きないのが鋳物どおり。ケーキの型はお土産にもなりますね。
パレルモの市場のお話はこちらから…