La Fonte Italian Cooking Studio Perche non vieni astudiare la cucina italiano alla Fonte?

  • 初めての方へ
  • お問い合わせ
  • インスタグラム
  • フェイスブック
  • youtube

トップコラム > 南イタリア便り No.11

南イタリア便り No.11

2011年5月公開

復活祭、ナポリ家族の食卓

皆さん、ご無沙汰しておりました。

この間、イロイロな事がありましたが、あっという間に5月はもうそこまで来ています。

GW、今年はそんな気にならないという方も多いかも知れませんが、カプリ、ソレント、アマルフィ海岸の玄関口として、ナポリを機軸に動かれる日本人の方もかなりいらっしゃいます。 お天気が良いといいですね。

さて、カーニバルと復活祭は移動祝祭日なので、毎年日付が変わるややこしいお祭りなのですが、カトリック教徒にとって大事な祭事ですね。今年は例年より非常に遅く、復活祭が4月24日でした。

伝統を重んじるといえば聞こえはいいのですが、他国の料理にあまり興味を示さないイタリア人、長い間変わらない郷土色豊かなお料理が各地にあります。それがイタリア料理の魅力でもありますが、加えて今年はイタリア統一150周年記念ということで、イタリア人の中でもイタリアブームが起こっているようです。

ところで、ナポリ家族の復活祭に欠かせないとても郷土色の豊かな2つのお料理…。

コロンバ? いえいえい、あれはイタリア全土で食べるものでして~。羊肉?それもイタリア料理であって、ナポリ料理ではないです。

正解は、カッサティエーロと、パスティエーラです。

カッサティエーロ:サラミ、チーズなどが沢山入ったパンで、"ゆで卵"が、パンに殻ごとちょこんと乗っかっています。これだけでもう総合食なのですが、前菜として食べられます。 残っても、祝日である翌日、これをもってピクニックに出かけるのがナポリの伝統。

ただし、パンといっても、スーニャと呼ばれる豚の油が沢山入っているのでかなりヘビーです。

カッサティエーロはパン屋さんで買う事もできます

パスティエーラ:ヤギのリコッタチーズを使いフルーツピール、牛乳で煮た麦などと合わせて焼く焼き菓子で、特徴はオレンジの花のエッセンスを使うので、独特な香りのお菓子です。このFior di Arancio、日本ではほとんど手に入りにくいものですが、ナポリでもパスティエーラを作るときにしか使われない不思議な香料です。

パスティエーラは、ナポリ銘菓として、徐々にイタリア全土に広がりつつあるので、最近は通年を通し、ナポリのお菓子屋さんで売られるようになりましたが、伝統的には復活祭のお菓子。

各マンマがそれぞれ自分のレシピを競って沢山焼き、近所の人と交換するのが伝統。日本人の私が食べても、このお菓子は美味しいと思うので、ナポリに来たら、ぜひ一度お試しアレ!

左:グラーノコット(煮麦)

右:Fior di Arancio(香料)

どちらもスーパーで売っています

コラムに戻る